11月本例会レポート

平成29年11月16日(木)三条商工会議所4階研修室にて、講師に原酒造株式会社 代表取締役社長
原 吉隆氏をお招きし、テーマ「理想の経営者」として、11月本例会を開催致しました。

講演に先立ち、矢島会長より挨拶があり、「本年は“勇往邁進”という会長方針の基、各々がこの先の明確なビジョンを持って活動して欲しいと年初にお願いした。現時点で皆さんの中に目標達成をした方も居るかもしれないが、そこはゴールではない。この先何をすべきか考え、さらなる飛躍をして欲しい。」と述べられました。

 

 

 

 

 

続いて、講師紹介の後、 講演に移りました。
講演の冒頭、原講師は、「復興に向け社員と共に取り組んで来たが、今年でちょうど10年が経過した。まずは、当社の会社紹介をさせて頂き、その後に具体的な取り組みについて述べさせて頂く。」と講演を始められました。

 

 

 

 

 

平成19年7月16日(月)AM10:13新潟県中越沖地震発生
それは、突然のこと。
会社の休日で、会社敷地内に併設された自宅内に居た時に突然の災害に見舞われた。
地震直後、会社を訪れた数名の幹部クラスの社員と協力し、成すべきことを模索した。

その中で、まず最初に行ったのは、社員ならびにその家族の安否確認。若手の一人にその大役を任せ、全力での確認作業を指示したが、電話が繋がらない等、インフラの悪化から地震当日中に全ての安否確認は出来なかった。だが、幸いにも翌日には全員の無事が確認された。

また、会社の建物構造を把握している製造責任者らと共に被害状況の確認作業を行った。

 

 

 

 

 

そのような中で次第に被害状況を把握していくと、ある感情が芽生えたと当時の心境を生々しく述べられました。
「突然起こった災害、そして、何処から手を付けて良いのか。また、手の施しようもない状況を知った時、重苦しい不安が過ぎった。ただ、それは一瞬であった。その直後から不安よりも強烈な感情。言葉には表し難いが、怒りに近い感情。まさにメラメラと。」

「こんな馬鹿なことがあって良いものか。たった1分程度の揺れで200年の歴史が壊されるなんて。絶対に負けていられるか。」

「この先のことは分からないが、とにかく新しく作るしかない。アドレナリンのようなものをボンボンと感じ、頭の回転が次第に速くなっていくことが分かった。まるで、神経が研ぎ澄まされていく感覚。」

冷静さを保ちながらも、ある種、興奮状態にある自身の感情に気付いていたと当時の心境を熱く述べられました。

また、社長として社員の動揺を最小限に抑える為に、
「常に自分が落ち着くよう自身に言い聞かせた。そして、皆で力を合わせ、必ず復興させると社員へ断言した。」
「この断言することがとても重要であると本能的に・直感的に感じた。復興に向けての完璧な未来が見えていた訳では無いが、とにかく社員とその家族全員が無事だったことが自身へ力を与えてくれた。」とも述べられました。

 

 

 

 

 

講演の終盤には、今、復興を果たせたと感じているが、
「非常事態の際は、何よりも頭を冷静に判断する大事さ、必要性を学んだ。」
「復興に向かって歩んできたが、とにかく色んな幸運が重なった。様々な方からの物資両面の支援も頂き大変お世話になった。」と述べられた上で、
「自分自身の力不足を感じる程、頂いた恩はあまりにも大きい。生きている間に少しでも恩返ししていく義務があると思う。」
「当社の歴史の中で、先人の苦労話を子供の頃からよく聞かされていて自分にもその番が来たなとも感じた。沢山の人への感謝の気持ちを少しでも返すのが自企業の目標・使命である。」と述べられ講演を終えました。

その後の質疑応答では、岡本康佑君から『理想の経営者というテーマでご講演頂きましたが、若いうちにこれだけはやっておくべきことは?』との質問に「酒屋万流と言う言葉があるが、経営のやり方は一つでは無く、色々。理想も一つで無く、百あれば百あって良いもの。経験から困難に立ち向かうことが大事でそれを乗り越えた経験が後々大切である。」とお答え頂きました。
また、徳永佳久君からは、『心が折れそうで、一番辛かったことをどうやって乗り越えられてこられたのか?』との質問に、「後ろを向くと崩れ落ちそうで、とにかく前だけをと思ってやって来た。社員を引っ張って来たが、自身を押し上げてくれたのも社員である。全体の和が大切。」とお答え頂きました。

 

 

 

 

 

その後、色紙受贈では、「人の和あってこそ良い酒が造れる。人の和無くして良い酒は造れない。」と日本酒の世界で良く使われる言葉でもあり、震災の経験で実感したことでもある『和醸良酒』と書かれた色紙を受贈頂きました。

 

 

 

 

 

例会の最後には、岡田リーダーより挨拶があり、「自分自身が困難に立ち向かうことが苦手で時には逃げてしまう。チャレンジ精神を併せ持ち困難を乗り越えられる方がどのような経験をして来られ、またどのような人物像なのか学びたかった」と例会を企画した思いを述べられました。

 

 

 

 

 

終始、社員ならびにその家族の命を無くさずに済んだことが幸運であり、自らが先頭に立っていく原動力となった経験を熱く述べられていたことが印象的でした。また、突然起こり得る困難に対して常に冷静に物事を判断していく為に、細かなことでも何でもメモに取り、筋道を立ててきた経験が後々、非常に役立ったと仰られていたことは今後、我々が直面するかもしれない困難を乗り越える為のヒントを聞けたのではないかと思います。

広報委員会 泉田 哲也

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2017年11月22日