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9月21日公開例会「鍵山秀三郎氏~心あるところに宝あり~」を開催しました。

さる9月21日、カー用品を全国で販売する㈱イエローハット創業者で日本を美しくする会・全国掃除に学ぶ会の創始者でもあります鍵山秀三郎氏を講師にお招きし、三条エコノミークラブ主催・公開例会を開催いたしました。

鍵山先生は、テーマ通りの朴訥で優しさ溢れる雰囲気の佇まいで来場されました。
開会宣言の後、相場会長から会の歴史の紹介を含めた挨拶がありました。

■開会宣言(公開例会副委員長 藤田寛嗣君)


その中で「会の発足から47年間、ぶれなかった2つの目的を持ってきた。一つは経営・経済の研修を通じて相互研鑽に励み、地域経済と自企業の発展に寄与すること。もう一つが、色々な活動を通じながら人格を高め、会員相互の親睦を深めること。入会当初は軽く考えていたが、活動を通じていくうえで、この目的の言葉が大きく立ちはだかってきた。ただ利益を出すだけではなくて、従業員について考えたり、企業として正当な活動を行ったりすることなのだと考えるようになってきた。目先の利益を追いかけるだけでなく、人間を見つめながらどんな人間になっていくべきなのだろうか?ということを考えていくべきなのだろうと思う。

■会長挨拶(相場会長)


今回この例会を企画した我々の思いは、「心」という言葉に真剣に向き合い、実践してきた鍵山先生に地域の皆さんの前でお話ししていただくことだった。私たち 47年の歩みのなかで、真剣に「心」に向き合い、いかに社会に貢献していくかを考えていきたいと思う」と語り、鍵山先生への講演と移りました

まず、昨今世の中にはスキャンダルや不祥事など、面白いけど役に立たない話が溢れていることを指摘し、それは果たして良いことなのか?と疑義を提示されました。

■講師:鍵山秀三郎氏


「新聞の社会面でどうやって殺したのかとか、どうやって人をだましたのかなどを詳しく読んだところで私自身の将来の役に立つわけはなく、何の参考にもならない。自分の心を汚すだけだ」と語り、「昔の日本人はそういったものをあまり掘り下げて知ろうとするような生き方をしてこなかったことを指摘し、その昔の日本人のもつ美徳にたくさんの外国人から称賛されていた」と話されました。


チェコスロバキアの作家ミラ・クンデルの言葉、「笑いには悪魔の笑いと天使の笑いとの2つがある」を引き合いに出し、悪魔の笑いというのは嘲笑で、天使の笑いは人が集まって自然と湧き起こる笑いであると解説をされました。そして、今の日本には悪魔の笑いに満ちていると指摘されました。できれば、日本は天使の笑いに満ちるようになってほしいと語られました。

■会場の様子


「今の日本は物質的には豊かになってしまったが、不幸せな豊かさ。昔と比べるとなんと恥ずかしい国になってしまったことか。ゴミが落ちていても、草が伸び放題になっていても無関心でとても嘆かわしい。祖先が今の日本を見たらきっと恥ずかしく思うに違いない。私はそんな祖先に恥じない国にするために掃除を始めた」と掃除を心がけるきっかけを話されました。

■会場の様子


「掃除は単純・簡単なことである。だが、単純・簡単なことであればあるほど人に教えて続けさせるのは至難の業である。しかしそれを身をもって示すために淡々と続けてきた」と話し、掃除を続けてきた苦労を語られました。

その後、車の部品の行商を始めた当時の苦労を、実例をあげた話となりました。「メーカーが作った車の部品が売れなくて困っているので、それを買い取って始めた行商。行く先々で悉く断られた。本当の鬼には会わなかったが、鬼のような人にはたくさん出会った。その時、自分は鬼のような人にはなるまいと決心した」と語られました。ただ、ある事に関してだけ鬼になることを決めたそうです。それが「掃除の鬼」。掃除を通じて美しい心を育てていくことを決意なさったそうです。

昔の日本にあった「美徳」とは「忍耐」・「謙譲」・「調和」・「勇気」であると、ホワイトボードを使って説明されました。方や今の日本にあるのは「悪徳」であり、それは「怨恨」・「卑屈」・「妥協」・「粗暴」であると説明をし、「美徳」のステージに行くための土台とは「愛・思いやり、他者への配慮」であると説かれました。

■公演中


この後、20年ほど前のイエローハット社員による清掃活動のVTRが流され、その徹底ぶりに参加者は驚きを持って見つめていました。また、宿泊するホテルでは備え付けの石鹸やアメニティ等を一切使わず、自分のものを持参して使い、部屋の掃除を断る書置きまで用意している映像も紹介されました。

VTRの後、「下品・粗暴なふるまいをする人は、相当な立場にいる人、特に上級なクラスの物を使う人に多い」と話し、「一度、同伴者の都合でファーストクラスに乗った時、たまたま隣に座った人の振る舞いがイヤになり、恥ずかしかったので席を変えてもらったことがある」と、その実体験を語られました。その人は、日本では相当な地位にいる政治家だったそうです。そのような地位の高い人が見せる裏表の顔にたまらなくイヤになったと語っておられました。

「美しい姿は美しい顔より優る、美しい立居振舞いは美しい姿に優る」という中国の格言を引きながら、人が見ないところで横着をすれば、どんなに立派な行いをしても底が割れる。それを「みっともない」ということを説かれました。「今は「みっともない」という言葉が通じない。「決まりがないからやってもいい」という振る舞いが非常に多い。特に学歴が進めば進む人ほどそのように考える人が多い。かつてあった美徳あふれる社会を取り戻すために、自分で自分を律することが大事だ」と説かれました。

最後に「君看ヨ双眼ノ色語ラ不レバ憂イ無キニ似タリ」という漢詩のあいだみつおの詩を紹介され、日本人の持つ美徳にあふれた「心」を持つことを訴え、講演は終了しました。

この後、質疑応答に移りました。鍵山先生はステージ上で質問者のそばまで行って質問を聞き、答えておられました。その中で「仏のような方もごくわずかだがいたと仰っておられたが、教えてほしい」という質問があり、「ずぶ濡れの合羽のまま自転車の行商に行った先で、「寒いでしょう。温まって行きなさい」と合羽姿のままで中に通され、ストーブのそばまで連れていかれ、「団子をおあがりなさい」と出されて感謝の言葉を言おうと思っても出すことができなかった。その時、自分もこのような人になろうと決意した」との鍵山先生の答えに目をぬぐう人も見かけられました。

最後に公開例会委員・藤田委員長より閉会の挨拶がありました。

■公開例会委員長(藤田委員長)


「私自身、鍵山先生の話を直接伺うのは初めてだった。鍵山先生の著書を読んでいると、心の美しさというものがひしひしと伝わってきた。お聞きいただいた皆さんもお感じになったと思うが、鍵山先生は非常にやさしい語り口で語っておられた。やさしい語り口ではあるが、発せられる言葉には重みと非常に強い説得力を感じることができた。これは、鍵山先生が長い間凡事徹底を実践されてきたからこそ力が宿り、思いがにじみ出てくるのだと思った。今日こうしてお話を直接伺えて大変幸せだった」と締め、2008年度の公開例会を閉会しました。